Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 61(2), p.155 - 161, 2001/05
被引用回数:2 パーセンタイル:19.6(Chemistry, Physical)メタクリロイルL-アラニンイソプロピルエステル(MA-AlaOiPr)とメタクリロイルL-バリンメチルエステル(MA-ValOMe)は、ポリマー側鎖の異なった位置にメチル基とイソプロピル基をもつ位置異性体である。温度変化に追従したポリマーの体積相転移(VPTT)から、疎水基(メチル基とイソプロピル基)の位置効果を評価するため、32にVPTTをもつメタクリロイルL-アラニンメチルエステルと位置異性体を共重合した。コポリマーのVPTTと組成の直線プロットから求めたMA-AlaOiPrとMA-ValOMeのVPTTは、-25と-78に存在することがわかった。この結果から、アミノ酸残基にイソプロピル基を含むMA-ValOMeの方がMA-AlaOiPrに比べ、より強い疎水の場合をポリマー側鎖に付与できることが明らかとなった。
小泉 智; 安中 雅彦*; Borbely, S.*; Schwahn, D.*
Physica B; Condensed Matter, 276-278, p.367 - 368, 2000/03
被引用回数:14 パーセンタイル:59.79(Physics, Condensed Matter)中性子小角散乱法を用いて高分子ゲルの微視的構造を観察した。ピンホール型中性子小角散乱(SANS)と2結晶型中性子小角散乱(DSANS)の2種類の小角散乱装置を用いることで波数q(A)で10q0.2の広い空間スケールをカバーすることを試みた。実験に用いた高分子ゲルは、ポリイソプロピルアクリルアミド/水である。転移温度T(=34.5)以下では、高分子鎖は水で膨潤しているが、T以下では、高分子鎖がコイル-グロビュール転移をおこしゲルが収縮する。実験では膨潤相から収縮相の広い温度領域でゲル中の熱的濃度揺らぎ、または収縮構造を観察し、基礎的な知見を整理することができた。結果は次の通りである。(1)膨潤相は通常の高分子溶液を記述するオルンシュタイン-ゼルニケ(OZ)型の散乱関数とゲルの架橋点構造に由来する散乱の和で記述できた。(2)濃度揺らぎの相関長は、Tに向かって平均場的に増大するが、Tでは一次転移的に発散する。平均場的な温度依存性を外挿することでスピノーダル点は39.7と決定された。(3)収縮相のT近傍では、グロビュールとコイルが共存し、グロビュールの空間分布はマスフラクタル的である(次元:D=1.7)。(4)収縮相でクエンチが深くなるとグロビュールの合体によりマスフラクタル次元でD=1.0に近い凝集構造(例えばシリンダー状)が形成された。
廣木 章博*; 岩上 秀明*; 吉田 勝; 諏訪 武; 浅野 雅春; 片貝 良一*
Designed Monomers and Polymers, 3(3), p.381 - 387, 2000/00
被引用回数:3 パーセンタイル:15.51(Polymer Science)-アミノ酸の側鎖アルキル基をメチル、エチル、プロピルと変化させたメタクリロイル-DL-アミノ酸メチルエステル(MA-DL-AAOMe)を合成し、放射線重合させて得られたゲルについて、温度変化に追従した膨潤収縮挙動を側鎖アルキル基の疎水性と関連づけて調べた。メタクリロイル-DL-アラニンメチルエステル(AA=Ala)ゲルの場合、22C付近で体積相転移を示した。このゲルは、22C以下の温度で膨潤、逆にこの温度より高くなると収縮する。一方、メタクリロイル-DL-アミノ酪酸メチルエステル(AA=Abu)及びメタクリロイル-DL-2-アミノ吉草酸メチルエステル(AA=nVal)ゲルでは、0C60Cの測定温度範囲で、いずれも収縮状態(1以下の膨潤率)のみを保つことが分かった。このようなゲル(AA=Abu及びnVal)に膨潤収縮挙動をもたせるため、温度応答性をもつMA-DL-AlaOMeとの共重合を検討した。その結果、所定の温度における体積転移組成と組成の関係から求めた体積相転移温度は、MA-DL-AbuOMeゲルが-35C、MA-DL-nValOMeゲルが-58Cの値を示すことが分かった。
吉田 勝; 浅野 雅春; 諏訪 武; N.Reber*; R.Spohr*; 片貝 良一*
Advanced Materials, (9), p.757 - 758, 1997/09
被引用回数:28 パーセンタイル:98.06(Chemistry, Multidisciplinary)イオン穿孔膜にアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を放射線グラフトし、温度変化に追従して孔が開閉する温度応答性多孔膜を合成した。A-ProOMeに基づくゲル層は14Cで体積相転移を起こすため、これ以下の温度で膨潤、逆にこれ以上温度で収縮する。この温度応答性多孔膜(10孔/cm)の特性をP-ニトロフェノールの透過から評価した。14C以下の温度の場合、物質の透過は8.210cm/minであった。これに対し、温度が14C以上になると、物質の透過は510cm/minまで増大した。この結果から、物質の透過が温度応答機能をもつゲルの働きによって制御できることが示された。
吉田 勝; 浅野 雅春; 大道 英樹; 上村 渉*; 熊倉 稔*; 片貝 良一*
Macromolecules, 30(9), p.2795 - 2796, 1997/05
被引用回数:16 パーセンタイル:57.98(Polymer Science)アクリロイル-L-プロリンメチルエステルのポリマーは、水中において14Cに曇点をもち、この温度以下で水溶性ポリマーとなり、この温度以上で凝集沈澱をともなうことが知られている。このポリマーゲルは14C付近で体積相転移を起こす。体積相転移温度はアルカンスルフォン酸ナトリウム(ASN)を含む水溶液中で処理すると変化することを見出した。すなわち、ASNは体積相転移温度を上昇させる働きをもつ。この場合、相転移を誘発させるASNの最も低い濃度は臨界ミセル濃度(cmc)と密接な関係をもつことが明らかとなった。このようなASNによる効果はメチレンセグメントの長さ、すなわち疎水効果に因るものである。
吉田 勝; Safranj, A.; 大道 英樹; 片貝 良一*
Macromolecules, 29(6), p.2321 - 2323, 1996/00
被引用回数:41 パーセンタイル:82.09(Polymer Science)外部環境からの刺激に応答するインテリジェント材料の創製研究の一環として、放射線プロセスにより側鎖にL-プロリンメチルエステルをもつ高分子ゲルを合成し、ゲルの体積相転移に及ぼす架橋の効果を検討した。その結果、アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)をモノマーとした場合、60%の架橋度を得るには、10kGyの線照射を必要とするのに対し、メタクリロイル-L-プロリンメチルエステル(MA-ProOMe)では320kGyの照射が必要であった。次に、0Cと40Cとの間での体積変化比を比較したところ、A-ProOMeゲルが20、MA-ProOMeが700となった。この違いは、両者の架橋構造の違いによるものと考えられる。
吉田 勝; 浅野 雅春; Safranj, A.; 大道 英樹; Spohr, R.*; Vetter, J.*; 片貝 良一*
Macromolecules, 29(27), p.8987 - 8989, 1996/00
被引用回数:53 パーセンタイル:87.39(Polymer Science)円筒状の貫通孔をもつイオン穿孔膜にアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を放射線グラフトし、温度変化に追従して孔が開閉する温度応答性多孔膜を合成した。A-ProOMeに基づくゲル層は14Cで体積相転移を起こすため、これ以下の温度で膨潤、逆にこれ以上の温度で収縮する。原子間力顕微鏡による観察から、16Cで処理した温度応答性多孔膜は、円筒状のイオン穿孔(1.3m径)とその表面に被覆された0.3mの厚さからなるグラフトゲル層からなることが分かった。この場合、0.7m径の円筒状の貫通孔が得られた。対称的に、12Cではグラフトゲル層が膨潤するため、孔が完全に閉じた。この温度応答性多孔膜の性能は、p-ニトロフェノールの透過からも調べた。
Safranj, A.; 長岡 範安*; 吉田 勝; 久保田 仁*; 大道 英樹; 片貝 良一*
JAERI-Conf 95-003, p.434 - 438, 1995/03
-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を固相および水溶液系で放射線重合させた場合、重合過程で架橋ポリマーが形成されてくることを見出し、この架橋メカニズムをパルスNMRを用いて検討すると同時に、得られたポリマーゲルの温度応答機能に関しても調べた。固相重合系の場合、重合は、1kGy照射で比較したとき、40C付近から始まり、モノマーの融点(62C)付近で最大(100%)に達した。一方、ゲルは、水の存在下でNIPAAmを照射した時に形成されることがわかった。32C付近に体積相転移をもつこのゲルの体積変化は、50kGy照射付近で極小値を与えた。パルスNMRの実験データから、NIPAAmゲルの架橋構造は3段階からなることがわかった。すなわち、それらは、50kG以下の領域でのtree状構造、50kGy付近でのladder状構造、50kGy以上の領域でのbroken-ladder状構造からなる。
大道 英樹
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 105, p.302 - 307, 1995/00
被引用回数:18 パーセンタイル:83.28(Instruments & Instrumentation)イオンビームを利用した有機機能材料の創製に関しては、目的とする機能に沿ったポリマーの合成とイオンビームのエネルギーの選択が重要であることを強調し、これまでの当研究室の研究の中から2例を紹介した。まず、放射線に対して感受性の高い樹脂として知られるCR-39に核種あたり11.4MeVの高エネルギーの重イオンビームを照射して多孔膜としたのち、当研究室で開発したゲルを孔の部分に化学結合させた。その結果、ゲルの示す体積相転移温度を挟む0Cと60Cとの間で孔のサイズを再現性よく変化しうることを示した。次に、非線形光学性の期待されるジアセチレン化合物についてLB法により多層膜としたのち、数keV程度の低エネルギーのイオンビームを照射すると折れ曲がった構造から伸び切った構造に配置を変えつつ重合し、結果的に配向性の揃った薄膜が得られること及びこの薄膜が3次の非線形性を示すことを明らかにした。
吉田 勝; Safranj, A.; 大道 英樹; 宮嶋 勝春*; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 46(2), p.181 - 183, 1995/00
被引用回数:6 パーセンタイル:54.86(Chemistry, Physical)側鎖にL-プロリンメチルエステルをもつメタクリロイルモノマー(MA-ProOMe)及びアクリロイルモノマー(A-ProOMe)を合成し、放射線照射により架橋重合させたバイオポリマーゲルを調整し、架橋特性とゲルの体積相転移の関係を検討した。A-ProOMeの場合、20%モノマー水溶液系を用いて、60%の架橋度をもつゲルを得るためには10kGyの線の照射を必要としたが、MA-ProOMeでは320kGyの照射が必要であった。この場合、いずれのゲルも低温臨界溶液温度(LCST)である14C付近で体積相転移を伴うことが分った。また、照射温度を関数とした場合、LCST以下の温度で照射して得られたゲルは表面に硬い膜が形成され、LCSTよりも高い温度で照射した時には表面膜の形成が観察されなかった。このゲル系をコンタクトレンズ素材あるいは医用材料として応用することについても検討した。
Safranj, A.; 吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*
Langmuir, 10(9), p.2954 - 2959, 1994/00
被引用回数:19 パーセンタイル:69.4(Chemistry, Multidisciplinary)ポリアクリロイル-L-プロリンアルキルエステルゲル(A-ProOR:Rはメチル、エチル、プロピル)の体積相転移におよぼす各種界面活性剤の添加効果を検討した。アニオン性はカチオン性の界面活性剤の場合、体積相転移温度は界面活性剤の濃度とともに高温側に移行した。両イオン性界面活性剤の場合、体積相転移温度は移行しなかったが、低温臨界溶液温度(LCST)をはさんだ異なった温度の間での体積変化率は界面活性剤の導入によって、よりシャープになった。一方、非イオン性界面活性剤は体積相転移現象に対して何ら影響をおよぼさなかった。
Safranj, A.; 吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*
Langmuir, 9(12), p.3338 - 3340, 1993/00
被引用回数:21 パーセンタイル:89.94(Chemistry, Multidisciplinary)インテリジェント材料創製の一環として、ポリアクリロイル-L-プロリンアルキルエステルを合成し、水系および界面活性剤を含む水系での体積相転移挙動を調べた。体積相転移温度はアルキル基のサイズが大きくなるほど低温側に移行する傾向を示した。また、ドデシル硫酸ナトリウム界面活性剤を含む水系での結果から、ポリアクリロイル-L-プロリンプロピルエステルの相転移温度が純水系では-12C付近に存在するものと推定することができた。
長岡 範安*; Safranj, A.; 吉田 勝; 大道 英樹; 久保田 仁*; 片貝 良一*
Macromolecules, 26(26), p.7386 - 7388, 1993/00
被引用回数:80 パーセンタイル:96.52(Polymer Science)インテリジェント材料の合成を目的として、水の存在下でN-イソプロピルアクリルアミドを放射線重合させたところ、その重合過程で架橋したポリマーゲルが生成された。この架橋ゲルの生成に必要な照射線量は、10%(w/w)モノマー水溶液系の場合、約71Gyであった。ゲルの温度応答性を調べたところ、30C付近で典型的な低温膨潤-高温収縮の体積相転移を示した。しかし、そのパターンは照射線量により著しく異なることから、50kGy以下の線量ではトリー型の架橋ポリマーが生成し、50kGyになるとはしご型に変わったのち、それ以上の線量では一部が分解したはしご型のポリマーになっていることが考えられる。